Google日本法人は3月10日、YouTubeに動画を投稿する全てのユーザーに対し、
税務情報の提出を義務付けると発表しました。
YouTube運営を行い、多くの視聴者を獲得すると広告収益を含めたGoogleからの収益を得ることが可能となります。
今後、米国からの収益の税務情報の提出をしなければ、
本来支払うべき金額以上の税金を徴収されることとなってしまいます。
そこで本コラムでは、提出すべき税務情報と、その提出方法についてご紹介します。
すでにYouTube運営を行っている方や、今後YouTubeを収益化したいと考えている方は
ぜひ参考になさってください。
対象となる収益
今回課税の対象となる収益は以下のものとなります。
- 広告収益
- YouTube Premium
- Super Chat
- Super Stickers
- チャンネル メンバーシップ
これらの収益の中で、米国在住の視聴者から得た収益が課税の対象となります。
「自分は日本人向けに配信しているから関係なくない?」
と思うかもしれませんが、YouTubeは世界中の視聴者が閲覧できるプラットフォームです。
どんなチャンネルでも、アメリカからの視聴が含まれている可能性が高いのです。
アメリカ在住の日本人が見ている可能性もありますしね。
引用:
YouTube Studio 「視聴者-上位の地域」より
税金はいくら引かれる?
まずみなさんが気になるのは、「自分はいくら税金を引かれるのか」という点ですよね。
ご安心ください。
日本で動画投稿を行っているほぼ全てのクリエイターは、
しっかりと税務情報を提出すれば課税対象外となることができます。
これは、日本とアメリカが租税条約を結んでいるためです。
課税の対象となるケース別の例
YouTubeヘルプコミュニティより、課税対象の例が提示されていますのでご紹介します。
例: 日本のクリエイターが先月 YouTube から得た収益が $1,000 だったとします。
収益合計 $1,000 のうち、米国の視聴者から得た収益は $100 でした。
この場合、考えられる源泉徴収のシナリオは次のとおりです。
①税務情報を提出していない場合
税務情報を提出していない場合、源泉徴収税率は収益合計の 24% になるため、
最終的に差し引かれる税金額は $240 です。
つまり、クリエイターから完全な税務情報が提供されるまでは、米国だけに限定されない、
全世界における総収益の 24% が Google によって差し引かれることになります。
②税務情報を提出し、条約による優遇措置を申請する場合
最終的に差し引かれる税金額は $0 になります。
日本と米国の間では租税条約が結ばれており、
税率が米国の視聴者から得た収益の 0% に軽減されるためです。
③税務情報を提出したが、租税条約による優遇措置を受けられない場合
最終的に差し引かれる税金額は $30 になります。
租税条約が結ばれていない場合の税率は米国の視聴者から得た収益の 30% になるためです。
この例の中で、日本のクリエイターのほとんどが①もしくは②のケースに当てはまるのではないかと予想されます。
米国の視聴者の有無に関わらず、
税務情報の提出を行わなかった場合は全世界からの収益の24%が控除されてしまうこととなりますので、
必ず提出を行いましょう。
出典:
クリエイターが米国外にお住まいの場合における、税の取り扱い方法の変更について
https://support.google.com/youtube/thread/101527268?hl=ja
期限はいつまで?
税務情報の提出期限は、5月31日までとなります。
この期限までに申請を行わなければ、米国からの収益の金額に関わらず、全収益の24%が控除されます。
もし期限を過ぎてしまっても、2021 年末までに税務情報を提出した場合であれば
状況によっては源泉徴収額の一部またはすべてを返金し、
源泉徴収率を 24% より低く調整できる可能性があるようですが、
特別な理由がない場合は5月31日までに提出するのが理想的です。
出典:
クリエイターが米国外にお住まいの場合における、税の取り扱い方法の変更について
https://support.google.com/youtube/thread/101527268?hl=ja
税務情報の提出方法
税務情報の提出は、Google AdSeneから行います。
ご自身のマイナンバーの準備が必要です。
税務情報の提出の手順は以下の通りです。
1.AdSense アカウントにログインします。
2.[お支払い] をクリックします。
3.[設定を管理する] をクリックします。
4.[お支払いプロファイル] までスクロールし、[米国の税務情報] の横にある編集アイコンをクリックします。
5.[税務情報の管理] をクリックします。
6.ガイドに従って、ご自身の税務状況に適したフォームを選び、氏名や住所、マイナンバーの記入を行います。
※住所は英語表記での記入が必要です。英語表記がわからない場合は、住所を英語表記にしてくれるツールなどを利用しましょう。
※入力フォーム「納税者番号」の「外国のTIN」がマイナンバーの入力欄にあたります。個人の場合はマイナンバー、法人の場合は法人番号を記入すれば良いようです。
引用:
Google への米国の税務情報の提出
https://support.google.com/youtube/answer/10390801
まとめ
本記事ではYouTubeが発表した米国外税務情報の提出義務化についてまとめました。
期限である5月31日までに提出を行わないと、
総収益の24%がGoogleから差し引かれてしまいますので、早めに申請を行うことをおすすめします。
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